教育センターの今

専門研修【高等学校数学講座】新課程に対応した高等学校数学科統計授業づくり講座を実施しました

 10月2日(月)に教育センターにて、「新課程に対応した高等学校数学科統計授業づくり講座」が開催され、県内各地から12名(高等学校10名、特別支援学校2名)の先生方が受講されました。
茨城大学教育学研究科の小口祐一先生をお招きし、講義・演習「統計教育における問題解決や意思決定について」において、SSDSEやGeoGebra、CODAPなどを活用したデータの収集や分析、シミュレーションに基づく推論・意思決定についての実践的な統計授業づくりを、先生方と一緒に考えました。

    

<研修者の声>
〇 小口先生に具体的なソフトの操作方法をご指導いただき、授業実践がイメージしやすい演習時間となりました。データカードを用いたり、実際にICT教材を使用したりしながら、探究的活動となるような実践をしていきたいです。
〇 本日の研修でたくさんのアイデアをいただけたので、自分なりの工夫や生徒の実態を踏まえ、これまでの授業をしっかり改善し実践したいです。また、様々なICTツールをご紹介いただいたわけですが、生徒がこれから生きていく社会は情報機器と切り離すことはできないため、操作についても時間を割いて、生徒とともに努力を続けたいです。
〇 CODAPなど統計の授業で活用できるものを紹介いただいたので、今後の授業に活かす方法を模索していきたいです。CODAPなどについては生徒が視覚的にも理解しやすいものになっていると思うので、積極的に活用していきたいです。

【専門研修】 不登校の理解と対応講座

 9月27日(水)「不登校の理解と対応講座」を開催しました。県内各地から、49名(小学校10名、中学校15名、高等学校17名、特別支援学校7名)の先生方に受講いただきました。福島大学 特任教授 安部郁子先生にご講義いただき、発達段階や子どもの環境を踏まえた不登校の理解と対応について、具体例を交えながらご教授いただきました。これまでの不登校児童・生徒の支援について振り返り、改善すべき点や新たに取り組んでみたい点を明らかにすることができました。

〈研修者の声〉
・不登校の生徒に対する指導援助の在り方について、今まで考えていた固定観念が覆されるような体験でした。グループワークで得た様々なアイディアも即実践できるようなものがあり、大変有意義な研修となりました。

・今まで不登校の対応として自分がやってみたことは、うまくいかないことが多かったが、過干渉になっていたのだろうと思いました。次に対応すべきケースがあれば、ほかの方法を試してみたいと思いました。理論や実験結果とともに、安部先生が経験されたこともお話しいただけて、理論と経験どちらにも基づいたアドバイスをされていることに感銘を受け、プロフェッショナルに相談できるのは心強いと感じました。

・小学校、中学校、高校の入学後に環境の変化で不登校、いじめの問題が発生しやすいことを学びました。発達障害の子どもの中には聴覚過敏の子がいるということで、大きな声で早口で指示を出すことも子どもにとってつらい状況になるのだと知りました。合理的配慮としてデジタル機器の活用を検討していきたいと思います。また、登校を促す前に本人の訴えをよく聞いて関係づくりを行うことを継続していきたいです。

・演習を行ってみると、生徒の気持ちになってできるので、とてもおもしろかったです。また、どのようにするとうまくいくかを自然と話したり、声をかけたりすることで、コミュニケーションが取れ、仲間意識が深まったように感じました。自分のクラスでできるのは何だろうか、気をつけることは何だろうかなどを考えたり、確認したりすることができたのでとてもありがたかったです。


・担任としてだけでなく、学校全体の取り組みとしても対応を明確に周知していく必要と、良い学校づくりに努めていきたいと思います。カウンセラーやソーシャルワーカーなど、頼れるところと連携を強めて学校全体で一人一人の生徒を支えていくことやさらに生徒とのコミュニケーションを大切にしていかなければならないと思います。

・不登校問題では、予防がもっとも大切であり、魅力的な学校づくりがその要となることを学びました。具体的には、「生徒が落ち着ける学習環境を整える。」「誰もが活躍できる場を提供する。」などが挙げられます。また、発達障害傾向の子どもたちが増加傾向にあることから、子どもたちへの言葉掛けとして、「ちゃんとしなさい。」などの抽象的な言葉ではなく、子どもの行動に落とし込み、「○○を○○しようね。」など具体的に言葉掛けする必要があることを学びました。


【専門研修】 人間関係づくりに生かす予防・開発的教育相談講座

 9月5日(火)「人間関係づくりに生かす予防・開発的教育相談講座」を開催しました。県内各地から、42名(小学校9名、中学校16名、高等学校14名、特別支援学校3名)の先生方に受講いただきました。午前は、全ての校種共通で、福島県公立学校スクールカウンセラーの二瓶重和先生にご講義いただき、問題(提起)行動の未然防止に効果的な「人間関係づくり」について、演習を交えながら体験的に学びました。午後は、小・中学校と高校に分かれての講義・演習を行いました。「人間関係づくり」ための実際の活動を通して感じたことや気付いたことを共有し、学びを深めることができました。

 

〈研修者の声〉
・「させる」生徒指導から抜け出せずにいて、仕事が全くうまくいかない毎日が続いており、正直つらいと感じていました。にもかかわらず、この研修を受けて自分が信じられないほど前向きな気持ちになっていることに気付きました。生徒にもこういう瞬間を味わわせたい。まずは学校でQ-Uの見直しをすることから始めようと思います。


・演習を行ってみると、生徒の気持ちになってできるので、とてもおもしろかったです。また、どのようにするとうまくいくかを自然と話したり、声をかけたりすることで、コミュニケーションが取れ、仲間意識が深まったように感じました。自分のクラスでできるのは何だろうか、気をつけることは何だろうかなどを考えたり、確認したりすることができたのでとてもありがたかったです。

・「ゴール」のために、意見を出し合ったり、声をかけあったりすることの重要性を改めて感じました。実際に学級でやった場合、生徒たちの予想外の様子を見ることができたり新たな発見があるのだろうなと思い、楽しみです。学級づくりに実践してみます。

・学校行事等の振り返りとして「アドジャン」「SFAすごろく」等の発達支援的なグループエンカウンターを活用したいと思います。生徒が活動を通して振り返りができるような工夫をしていきたいです。生徒が自分の感情の許容範囲を知るとともに他人との違いに気付くことで、感情の多様性を教えていきたいと思います。

・講義では解決志向アプローチを知ることができました。子どもが自身の解決に向けて、内的外的リソースを活用できるように支援したいです。演習では構成的グループエンカウンターを体験し、楽しみながら「他者と関わる力を身につける」ことができると分かりました。ストレスとの付き合い方やリフレーミングを通して、他者の感じ方が違うことを、SOSの出し方では、課題未然防止教育の重要性を実感できました。相談できる関係づくりを支えたいと思います。