教育センターの今

【専門研修】 不登校の理解と対応講座

 9月27日(水)「不登校の理解と対応講座」を開催しました。県内各地から、49名(小学校10名、中学校15名、高等学校17名、特別支援学校7名)の先生方に受講いただきました。福島大学 特任教授 安部郁子先生にご講義いただき、発達段階や子どもの環境を踏まえた不登校の理解と対応について、具体例を交えながらご教授いただきました。これまでの不登校児童・生徒の支援について振り返り、改善すべき点や新たに取り組んでみたい点を明らかにすることができました。

〈研修者の声〉
・不登校の生徒に対する指導援助の在り方について、今まで考えていた固定観念が覆されるような体験でした。グループワークで得た様々なアイディアも即実践できるようなものがあり、大変有意義な研修となりました。

・今まで不登校の対応として自分がやってみたことは、うまくいかないことが多かったが、過干渉になっていたのだろうと思いました。次に対応すべきケースがあれば、ほかの方法を試してみたいと思いました。理論や実験結果とともに、安部先生が経験されたこともお話しいただけて、理論と経験どちらにも基づいたアドバイスをされていることに感銘を受け、プロフェッショナルに相談できるのは心強いと感じました。

・小学校、中学校、高校の入学後に環境の変化で不登校、いじめの問題が発生しやすいことを学びました。発達障害の子どもの中には聴覚過敏の子がいるということで、大きな声で早口で指示を出すことも子どもにとってつらい状況になるのだと知りました。合理的配慮としてデジタル機器の活用を検討していきたいと思います。また、登校を促す前に本人の訴えをよく聞いて関係づくりを行うことを継続していきたいです。

・演習を行ってみると、生徒の気持ちになってできるので、とてもおもしろかったです。また、どのようにするとうまくいくかを自然と話したり、声をかけたりすることで、コミュニケーションが取れ、仲間意識が深まったように感じました。自分のクラスでできるのは何だろうか、気をつけることは何だろうかなどを考えたり、確認したりすることができたのでとてもありがたかったです。


・担任としてだけでなく、学校全体の取り組みとしても対応を明確に周知していく必要と、良い学校づくりに努めていきたいと思います。カウンセラーやソーシャルワーカーなど、頼れるところと連携を強めて学校全体で一人一人の生徒を支えていくことやさらに生徒とのコミュニケーションを大切にしていかなければならないと思います。

・不登校問題では、予防がもっとも大切であり、魅力的な学校づくりがその要となることを学びました。具体的には、「生徒が落ち着ける学習環境を整える。」「誰もが活躍できる場を提供する。」などが挙げられます。また、発達障害傾向の子どもたちが増加傾向にあることから、子どもたちへの言葉掛けとして、「ちゃんとしなさい。」などの抽象的な言葉ではなく、子どもの行動に落とし込み、「○○を○○しようね。」など具体的に言葉掛けする必要があることを学びました。