教育センターの今

【音楽専門研修】「思考力・判断力・表現力を育む器楽指導法講座(ギター編)

 10月19日(木)に開催しました。県内各地から12名(中学校5名、高等学校5名、特別支援2名)の先生方に受講いただきました。
 福島市出身のギタリスト井上仁一郎先生による講義では、弦の張替えやギターの構え方、基本的な奏法等、演習を通して丁寧にご指導いただきました。また、特殊奏法については実演を披露いただき、ギターの奥深さや表現の幅広さを実感することができました。

 

〈研修者の声〉

・あれほど間近で演奏家の演奏を聴く機会をつくってくださって、本当にありがとうございます。また、様々な奏法を教えていただき、試した後の鑑賞だったので演奏技術のすばらしさ、表現の幅広さに魅了されました。

・今日ご指導いただいたことをもとに、自分でもギターを練習してみて、外部講師だけではなく自分でもギターの授業ができるとよいと思いました。音階の弾き方やコードなど、講義でポイントをいくつも教えていただいたので、それを参考に授業を考えてみたいと思います。初心者でもポイントを押さえれば、できる部分は沢山あることが分かったので、生徒にあった説明の仕方や教材を工夫することで、ギターに触ったことがない生徒でも、ギターを弾く喜びを味わえるように、授業を考えてみたいと思います。

【専門研修】校務処理に生かす表計算活用講座

 10月24日(火)「校務処理に生かす表計算活用講座」が開催され、県内各地から、30名(小学校6名、中学校9名、高等学校10名、特別支援学校5名)の先生方が受講されました。演習を通して成績処理に生かせる関数やグラフ作成など、表計算ソフトウエアの様々な機能について学びました。また、午後からは2グループに分かれ、ピボットテーブルを用いたデータの集計方法や、VBAを用いて業務を効率化するための方法について学びました。

 

<研修者の声>

・これから、教育計画や教育アンケートなどの作成に入っていくので、今日研修で学んだことを1つでも生かしたい。また、教えていただいたショートカットキーの中には、今日初めて知って便利だと感じたことがあったので、学校に帰って他の先生方にも教えたいと思う。

・表計算ソフトウエアを活用することで業務の効率化が可能になることが分かった。現状ではパソコンに詳しい先生方に頼りがちだが、自分にできるところからチャレンジしていきたいと考えている。

・生徒との個人面談や、各種アンケートの集約や分析など、今回の研修で学んだことを実践できる機会は本当にたくさんあると感じた。今日教えていただい表計算の基礎基本をスタートにして、自分なりにアレンジを加えながら活用できる機会や幅を大きくしていきたい。

 

【専門研修】 スマホ時代のいじめの理解と対応講座

 10月16日(月)「スマホ時代のいじめの理解と対応講座」を開催しました。県内各地から、38名(小学校7名、中学校13名、高等学校13名、特別支援学校5名)の先生方に受講いただきました。
 受講された先生方は、いじめ防止対策推進法やネットいじめの現状について理解を深めたり、いじめの未然防止について演習を交えながら体験的に学んだりしました。また、これまでのいじめの指導・支援について振り返り、改善すべき点や新たに取り組んでみたい点を明らかにすることができました。

 

〈研修者の声〉
・いじめ対策を改めて確認する事で、いじめ0よりいじめ見逃し0を目指し、生徒指導主事として各学年との連携を密にして速やかな対応をしていきたいと思いました。事例を参考に演習できた事で何事か起こった時に活かして行きたいと思いました。法をしっかりと理解して取り組んでいく事で「いじめ」というデリケートな面などにも自信を持って対応することができるようになったと思っています。

・いじめについて、された生徒もした経験がある生徒も9割という話がとても腑に落ちました。我が校でも毎日何かが起きていて悩む事も多かったのですが、500人を超える生徒が同じ空間で生活していれば、起きて当たり前なのだ、それを未然に防ぐプロアクティブな生徒指導とリアクティブな生徒指導のバランスを図りながら、チームで解決していく事が大切であるという事を改めて見直す事ができました。

・いじめが起きやすい時期が調査結果からも出ているため、その時期に合わせてアンケートを実施したり、やり方を工夫することで早期発見に繋がると思いました。LINEのやり取り1つとっても、実際に生徒に考えさせることで、自分事として考える、振り返る機会になると思います。忙しい学校生活の中で、どこで時間を取るかが課題ですが、教育計画の中に盛り込んで未然防止の敎育をやっていく必要があると思いました。

・いじめの未然防止のためには傍観者へのアプローチが大切であることが理解できました。傍観者が何らかの働きかけをすることで数秒以内に50%を超えるいじめが止んだというデータは、いじめの多くは教員がいない場で起こることを考えると非常に注目すべき点であると感じました。また、傍観者の生徒に仲裁や教師への通告を求めてしまいがちですが、ハードルが少し低めのシェルターやスイッチャーの役割も有効であることを知ることができました。


 

 

【専門研修】授業力向上のためのICT活用実践講座(義務系)

 11月6日(月)に、教育センターにおいて「授業力向上のためのICT活用実践講座(義務系)」が開催され、県内各地から32名(小学校11名、中学校21名)の先生方が受講されました。

 ICT機器や授業に役立つアプリの基本的な操作について、実際にタブレット端末とプロジェクターを使用して演習を行いました。自治体によってICT機器の環境は様々ですが、今ある環境の中で、できることを考えながら研修に臨まれていました。

 授業づくりに生かせる効果的なICT活用では、ワークショップ形式で意見交換、授業構想案の作成を通して、ICTの効果的な活用場面や留意点を共有することができました。そして、授業のめあてを達成するための効果的なICTの活用の視点で授業をデザインすることができました。

<研修者の声>

・福島県のICT活用率の低さに驚いた。使うことがすべてではないが、ICTは授業のみならず生活に欠かせないものになっていくと考えられるため、学校活動の中で使い方を身につける機会を確実に設定することが大切だと感じた。

・校種は同じであっても、教科やICT環境によって、使い方、使うソフト等が様々で、興味深いアプリの情報や新たな使い方を知ることができた。また、物的な体制整備を進めることが本県の課題であると感じた。ICTの特性・強みを観点に沿って整理することで、ICT活用の用途がより思いつきやすくなったと感じる。

 ・教師と生徒がつながるためには、生徒と生徒がつながるためには、教師と家庭とつながるためにはについて真剣に考えることができた。授業でどのようにICTを役立てていくかについても意識して指導案を書くことができた。

【専門研修】授業力向上のためのICT活用実践講座(県立系)

 10月31日(火)に、教育センターにおいて「授業力向上のためのICT活用実践講座(県立系)」が開催され、県内各地から30名の先生方が受講されました。
 ICT機器の取扱いや授業における効果的な活用方法について、実際にタブレット端末やプロジェクタ等を使用して演習を行いました。また、授業づくりに生かせる効果的なICT活用についてワークショップ形式で意見交換を行いました。実際に授業構想案を作成し、ICTの効果的な活用場面や留意点を共有することができました。

<研修者の声>

・教育の情報化について、各教科ごとに進めるのではなく、学校全体で進めていかなければならないことを改めて認識できた。また、教科横断的に進めることで、生徒にとってもより効果的になればと考える。授業でもICTを使うことはできているが、協働学習まで発展できていない部分があるので、改善していきたい。

・他校のICT活用についての実践例や、課題について情報を共有でき、参考になった。個別最適な学びのツールとしての利用や、学びを進める上で自身の特性などにより困難を抱えている生徒が、困難を補うツールとしてもICTは利用できるのではないかと感じた。

・授業力を向上させていく上でICTをどのように取り入れていくのが効果的なのか改めて考えることができた。現在のICT授業は一斉授業や個別学習の利用が主であると感じた。今回の研修で学んだ協働学習について今後チャットなど工夫しながら取り組んでいきたいと思う。

専門研修【高等学校数学講座】新課程に対応した高等学校数学科統計授業づくり講座を実施しました

 10月2日(月)に教育センターにて、「新課程に対応した高等学校数学科統計授業づくり講座」が開催され、県内各地から12名(高等学校10名、特別支援学校2名)の先生方が受講されました。
茨城大学教育学研究科の小口祐一先生をお招きし、講義・演習「統計教育における問題解決や意思決定について」において、SSDSEやGeoGebra、CODAPなどを活用したデータの収集や分析、シミュレーションに基づく推論・意思決定についての実践的な統計授業づくりを、先生方と一緒に考えました。

    

<研修者の声>
〇 小口先生に具体的なソフトの操作方法をご指導いただき、授業実践がイメージしやすい演習時間となりました。データカードを用いたり、実際にICT教材を使用したりしながら、探究的活動となるような実践をしていきたいです。
〇 本日の研修でたくさんのアイデアをいただけたので、自分なりの工夫や生徒の実態を踏まえ、これまでの授業をしっかり改善し実践したいです。また、様々なICTツールをご紹介いただいたわけですが、生徒がこれから生きていく社会は情報機器と切り離すことはできないため、操作についても時間を割いて、生徒とともに努力を続けたいです。
〇 CODAPなど統計の授業で活用できるものを紹介いただいたので、今後の授業に活かす方法を模索していきたいです。CODAPなどについては生徒が視覚的にも理解しやすいものになっていると思うので、積極的に活用していきたいです。

【専門研修】 不登校の理解と対応講座

 9月27日(水)「不登校の理解と対応講座」を開催しました。県内各地から、49名(小学校10名、中学校15名、高等学校17名、特別支援学校7名)の先生方に受講いただきました。福島大学 特任教授 安部郁子先生にご講義いただき、発達段階や子どもの環境を踏まえた不登校の理解と対応について、具体例を交えながらご教授いただきました。これまでの不登校児童・生徒の支援について振り返り、改善すべき点や新たに取り組んでみたい点を明らかにすることができました。

〈研修者の声〉
・不登校の生徒に対する指導援助の在り方について、今まで考えていた固定観念が覆されるような体験でした。グループワークで得た様々なアイディアも即実践できるようなものがあり、大変有意義な研修となりました。

・今まで不登校の対応として自分がやってみたことは、うまくいかないことが多かったが、過干渉になっていたのだろうと思いました。次に対応すべきケースがあれば、ほかの方法を試してみたいと思いました。理論や実験結果とともに、安部先生が経験されたこともお話しいただけて、理論と経験どちらにも基づいたアドバイスをされていることに感銘を受け、プロフェッショナルに相談できるのは心強いと感じました。

・小学校、中学校、高校の入学後に環境の変化で不登校、いじめの問題が発生しやすいことを学びました。発達障害の子どもの中には聴覚過敏の子がいるということで、大きな声で早口で指示を出すことも子どもにとってつらい状況になるのだと知りました。合理的配慮としてデジタル機器の活用を検討していきたいと思います。また、登校を促す前に本人の訴えをよく聞いて関係づくりを行うことを継続していきたいです。

・演習を行ってみると、生徒の気持ちになってできるので、とてもおもしろかったです。また、どのようにするとうまくいくかを自然と話したり、声をかけたりすることで、コミュニケーションが取れ、仲間意識が深まったように感じました。自分のクラスでできるのは何だろうか、気をつけることは何だろうかなどを考えたり、確認したりすることができたのでとてもありがたかったです。


・担任としてだけでなく、学校全体の取り組みとしても対応を明確に周知していく必要と、良い学校づくりに努めていきたいと思います。カウンセラーやソーシャルワーカーなど、頼れるところと連携を強めて学校全体で一人一人の生徒を支えていくことやさらに生徒とのコミュニケーションを大切にしていかなければならないと思います。

・不登校問題では、予防がもっとも大切であり、魅力的な学校づくりがその要となることを学びました。具体的には、「生徒が落ち着ける学習環境を整える。」「誰もが活躍できる場を提供する。」などが挙げられます。また、発達障害傾向の子どもたちが増加傾向にあることから、子どもたちへの言葉掛けとして、「ちゃんとしなさい。」などの抽象的な言葉ではなく、子どもの行動に落とし込み、「○○を○○しようね。」など具体的に言葉掛けする必要があることを学びました。